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ハイテク素材に欠かせないレアアース(希土類)を高濃度に含む泥が、日本の排他的経済水域(EEZ)内である南鳥島周辺の海底で大量に見つかった。
国内消費量の約200年分が眠る大鉱床だ。
資源化できれば、世界産出量の大半を占める中国への依存から脱却し、国内自給の道が開ける可能性がある。
早期の事業化に向けて国家的な支援と戦略が必要だ。(伊藤壽一郎)
東京大の研究チーム(リーダー:加藤泰浩教授 地球資源学)は昨年7月、南東太平洋などの海底でレアアースを含む泥を世界で初めて発見。
しかし、公海上のため事業化に制約があり、日本が自由に開発できるEEZ内での発見を目指していた。
新たに見つけた場所は、日本最東端の南鳥島(東京都小笠原村)の南西約310キロ。
水深約5600メートルの海底から採取した泥は最大約1700ppm、平均約1100ppmの高濃度でレアアースを含んでいた。
埋蔵量は国内消費量の約230年分に当たる約680万トンと推定。
元素別では、ハイブリッド車のモーターなどに必須で、中国でしか産出しなかったジスプロシウムが約400年分、光磁気ディスクに必要なテルビウムは約4600年分もあるという。
島の北約180キロでも同様の泥が見つかった。 |
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